掲示板の言葉
2022年 秋
法語
あいにくの雨 めぐみの雨 自我の思いがひとつの雨をふたつに分ける
作者
西坂和行 著『きみはそのままでいいんじゃないか』電波社 112頁
あじわい
たしかに、たしかに。小学校の頃、楽しみにしていた遠足が雨で延期になれば「あいにくの雨」。苦手だったマラソン大会が同じく雨で延期になれば「めぐみの雨」。
さらに、降り方の塩梅にまでこだわる私。しとしと雨が降れば「良いおしめりですね」と、傘も役立たないほどの雨ともなれば「やっかいなこと」。事実は「本日雨が降っています」の一つなのですが・・・。
「わたしにとって」という物差しで物を言う私がそこにいます。
これは、「心の持ち方で、一つのものを二つに分けてしまう」ということがいけないということではないのです。仏さまは一つのものを自分中心に分けずにはいられない私そのままにどこまでも寄り添い続けてくださる。
「あいにく」の私
「めぐみ」の私
仏さまは
二人の私を
一人のままに見て下さる