掲示板の言葉
2022年 春
法語
花を咲かす見えぬ力を春という 人となす見えぬ力を仏という
作者
藤元正樹
あじわい
寒く雪降る冬の中でも、枝には小さなつぼみをつけ、地下には花開く準備を蓄え、静かにその時を待つ自然。そして、「春が来ましたよ」という声が聞こえているかのように花は開く。その不思議に私達は見えぬ力、はたらきを教えられる。
では、人はどうであろうか。「私は生まれた時から人ですけど」と、言うかもしれない。「人となす」。はたして私はこれまで本当に「人」であったであろうか。
嬉しいこともある、悲しいこともある。すべてのことを糧に、心に小さなつぼみを持ち、今ここにこうしてあるという尊い命を、一息一息生きさせて頂く。そのご縁こそが見えぬ仏さまのおはたらきであり、私を支えてくださっているということなのだと。このことに気付かせて頂く時、初めて私は「人」とならせて頂くのではないだろうか。
「早く 人間に なりたい」古いアニメの妖怪人間の言葉が思い出される。そして、自分に繰り返し問いかける、私は「人」になれているか。